米中関係を巧みに利用する金正恩 今後の朝鮮半島情勢について探る

      2018/04/30

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朝鮮半島情勢に焦りの色を滲ませる中国

一方、この北朝鮮の動きに焦りの色を滲ませるようになったのが中国だ。中国自身としては、北朝鮮の非核化には賛同しているものの、そのプロセスが米国主導で進むこと、さらには米朝関係が米国主導のペースで改善し、米国の政治経済的な影響力が中朝国境にまで北上することは何としても避けたいシナリオであるだろう。そしてそれが、近年悪化する中朝関係を改善へ向かわせる転機となった。

中国へ接近し、米国を揺さぶる北朝鮮

金正恩氏の近影(出典:http://www.unikorea.go.kr)

中国としては、「血盟」とも言われる北朝鮮を巡る動向において、米国や韓国に主導権を取られたくない。よって北朝鮮の米韓接近によって、中国は北朝鮮と再接近する緊急的な必要性が生じるようになった。それが、先月下旬の金正恩氏による中国訪問に繋がったわけだが、北朝鮮としてもこのタイミングで中国に接近することには大きなメリットがあった。

南北会談と米朝会談を迎える北朝鮮としては、孤独な立場で米韓と会談した場合、自らに不利な形で交渉が進む、もしくは会談が決裂して米国との緊張がさらに高まる恐れがあることから、中国という後ろ盾を得ることによって、交渉を自らに有利な形で進めたいという思惑がある。米国にとしても、「中国が背後にある北朝鮮」と「中国が距離を置く北朝鮮」とでは、会談における交渉、またその後の対北政策において違いが生じてくることが考えられる。

要は、先月下旬の中朝会談においては両者の思惑が一致し、どちらにとっても大きなメリットがあったのである。

米中関係を巧みに利用する金正恩

このように見てくると、金正恩氏は近年の米中関係をよく理解していることが想像できる。米中関係の中で、今日の北朝鮮の地政学的立ち位置を理解し、それをうまく利用することで金政権の存続、国家の繁栄を築いていこうとしている。繰り返しになるが、金正恩氏も朝鮮半島の非核化に向けて歩み出す意志は示している。しかし、それをどのように進めていくかで当事者間で大きな隔たりがあり、それが今後の情勢を大きく左右する要因となろう。

昨年11月に中国を訪問したトランプ大統領

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