【ロシア極東と日本】第3回 北方領土の「地元」から

   

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ユジノサハリンスク市のランドマーク、レーニン像:筆者撮影

 

北方領土の「地元」サハリン州

結氷するタタール海峡(間宮海峡):筆者撮影

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呆れるばかりであまり触れたくもないのだが、例の「北方領土を戦争で取り返す」という発言について。

国境線を引き直す方法は外交か戦争かのどちらかしかない。外交交渉で要求がかなわず、自国民の命を犠牲にし、相手国民の命を奪ってでもかなえるべき価値のある要求ならば、たしかに戦争するしかない。北方領土にそれだけの価値があるかどうかの判断はひとまずおいておき、仮に戦争するとして、ロシアと戦争して日本は勝てるか。

いや、日本は単独で戦うわけではない。世界最強の友だちが味方してくれるはずだ。しかし、結論からいえば、アメリカは来ない。日米安保条約第五条は、その適用範囲を「日本国の施政の下にある領域」と規定している。つまり、日本の法律の下で人びとが暮らしている土地の平和が侵されたときに米軍は日本を助ける。

しかし、「北方領土」は日本の施政下にはない。いかに「固有の領土」だと主張しても、現在の「北方領土」に暮らす人びとは、ロシア連邦の法律の下で暮らしている。ロシアの施政権下の領域が戦場になった場合、米軍は、日米安保条約の規定通りに日本を助けには来ない。それでもロシアと戦争する覚悟はあるのか。

歯舞・色丹・国後・択捉各島を含め、北海道根室沖から北東方面にのびる約30の島々は現在、ロシア連邦サハリン州の管轄下にある。サハリン州は、州都ユジノサハリンスク市のあるサハリン島と、歯舞群島も含むクリル諸島(千島列島)からなる。州全体の人口は約49万人、そのうちおよそ47万人がサハリン島に暮らしている。サハリン島は南北の全長が九四八キロの細長い島で、21位のアイルランド、22位の北海道に次ぎ、世界で23番目に大きな島である。

 

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