トランプ訪日を考える

   

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今回のトランプ訪日では、如何に日本が米国を必要としているか、また、如何にトランプ大統領が安倍首相を必要としているかが浮き彫りとなった。見えない相互関係が成立している。フランスやドイツなどの欧米諸国と関係が冷え込み、パリ協定やイラン核合意から一方的に離脱したトランプ大統領ではあるが、国益上、日本は米国と戦略的互恵関係を発展させる必要がある。

日本からの重宝的なおもてなしの効果

訪日初日の5月25日から、日本経済界リーダーたちとの会合、安倍首相との第5回目のゴルフ外交、大相撲千秋楽の観戦と表彰式、六本木居酒屋での夕食会、天皇皇后両陛下との面会・晩餐会など、米紙がトランプ大統領を“観光客”と呼ぶほど重宝的な“おもてなし”となった。今後も、6月大阪でのG20サミット、8月フランス・ビアリッツでのG7サミットで両者は会談する予定で、トランプ大統領就任時にあった日米関係の行方を懸念する声は、今となっては完全に葬り去られたかのようだ。

そして、肝心の5月27日の日米首脳会談で、両者は、対話路線を維持しつつ、北朝鮮が核・ミサイルを具体的に廃棄する措置をとるまで経済制裁を維持する方針を確認した。また、安倍首相は拉致問題解決に向けて米国の協力を確認し、前提条件なしに金正恩氏との直接会談を目指す意思をトランプ大統領に伝えた。一方、緊張が高まるイラン情勢について、安倍首相は6月にイランを訪問し、中東における緊張緩和に向けた役割を果たす意思を伝え、トランプ大統領も理解を示した。

安倍外交の戦略的意図

今回のトランプ訪日とそのおもてなしからは、安倍外交の戦略的意図が読み取れる。すなわち、令和時代におけるアジア・太平洋地域の安定と繁栄を考慮すると、中国の影響力拡大もあり、日本は米国との緊密な関係がさらに必要で、日米関係を基軸にいっそう主体的な役割を担っていこうとする戦略がある。
反対に、トランプ大統領も安倍首相を必要としている。例えば、トランプ大統領の就任以降、フランスやドイツなどの欧州と米国との関係は極めて悪化している。現在、主要国でトランプ大統領と良好な関係を維持している指導者は少なく、おそらく安倍首相が最も親しいパートナーになっている。来年11月の大統領選挙を見据えても、トランプ大統領としてはできるだけ多くの外交実績を残したいのが本音で、そのためにも安倍首相との関係は重要なものになっている。
今後も、少なくとも来年11月の米大統領選挙までは、この安倍・トランプ関係が続くことだろう。

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