米中・米露の対立と難しくなる領土問題の解決

      2019/02/18

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昨今、南米ベネズエラの問題が、事実上の大国による代理戦争の様相を呈している。ロシアと中国はマドゥロ大統領派を、米国は反マドゥロ路線のグアイド暫定大統領派をそれぞれ支持している。現在のところ、ベネズエラ情勢は改善への兆しが全く見えず、大国の干渉によってさらに混乱する恐れがある。
しかし、この図式は何もベネズエラだけにいえることではなく、他地域でも同じような対立構図がみられる。私たちの住むここ日本でも、大国間の対立が領土問題といった外交問題を一層困難にしてしまうことがある。北方領土を事例として見てみよう。

北方領土問題の陰にちらつく米露の対立

安倍総理は去年11月、プーチン大統領と会談し、1956年の日ソ共同宣言に基づいて平和条約の締結、また領土問題の解決に向けて交渉を加速させることで合意した。
しかし、プーチン大統領は翌日、「同宣言には歯舞・色丹の2島を引き渡すと明記されてはいるが、何を根拠に、またどちらの主権になるかなどは書かれていない」と発言し、日本を牽制した。

これがロシアの本音であろうが、仮に北方領土4島が日本の望むように返還されるならば、それは法的には日米安全保障条約の適用範囲となり、同条約5条に基づく米軍の対日防衛義務の適用対象となる。そうなると、ロシアにとっての戦略的相手は明らかに米国となることから、今日の日露会談というものは、実は日米露の3者会談の意味合いも含んでいる。日本側は、北方領土における米軍基地設置はないと説明しているが、片務的な日米同盟の特性を理解しているロシアにそういった説明は通用しないだろう。ロシアは、国後島や択捉島で軍のプレゼンスも強化しているが、それは将来的な展望を見据え、日本という米国勢力圏を牽制する狙いもあるだろう。

加速する大国間の関係の不安定化

近年、中国やロシアによる覇権的行動が顕著になっている。特に、中国の一帯一路構想は外形的には“支援”という色を出そうとしているが、その中身は“債務帝国主義”と言われても仕方がない部分がある。その一方、米国はオバマ政権による“世界の警察官”からの脱退宣言、そして今日のアメリカファーストに象徴されるように、グローバルなリーダーシップから手を離している。おそらく、この動きは今後も続くことだろう。大国間関係の不安定化は、日本の領土問題の解決にどう影響するだろうか。

日本が勢力圏争いの最前線に?領土問題の解決は長期的取組が必要

冷戦時代、日本はソ連圏の南下を防止する防波堤としての役割を担ってきたが、今後再び米露の間で対立が高揚するならば、北方領土は事実上、“米露による勢力圏争いの最前線”となることだろう。これは日中が争う尖閣諸島でも同じで、米中対立の高揚によって、尖閣諸島は“米中による勢力圏争いの最前線”となる。日本が抱える領土問題は、地政学上の理由から、大国間関係の影響を直接的に受けるという特性がある。この関係が不安定になればなるほど、日本が望む解決は一層遠のくであろう。

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