グローバルに広がる暴力的白人至上主義〜連鎖するテロと暴力〜

      2019/09/09

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世界各地で連鎖的に発生する白人至上主義

今年3月に襲撃されたクライストチャーチ市内のカンタベリー・モスク

今年3月に襲撃されたクライストチャーチ市内のカンタベリー・モスク

近年、欧米諸国ではイスラム過激主義テロが減少する一方、白人至上主義テロが増加している。そして、それは国際的ネットワークのような広がりを見せるだけでなく、昨今は連鎖的に発生している。欧米諸国は、イスラム過激派と白人至上主義を同等に扱っていかないといけない。既に、その時は満ちている。

今年3月、強い反イスラム主義に染まる白人至上主義者の男が、クライストチャーチ市内にあるイスラム教モスク2カ所を相次いで襲撃し、イスラム教徒ら50人以上を殺害した。犯人は、オーストラリア人のブランタン・タラント容疑者で、自らの犯行の様子をフェイスブックでライブ配信し、世界各地の白人至上主義者たちの関心を引こうとしていた。同容疑者は、2017年4月から5月にかけてフランスとスペインなど欧州を訪れ、そこで白人の国が移民・難民に侵略されていると危機感を抱いたことが犯行の動機だったとしている。タラント容疑者は事件直前に発信したマニフェスト「Great Replacement(偉大なる交代)」の中で、強い反イスラム、反移民感情を示し、移民へ寛容な政策をとっているとしてドイツのメルケル首相やトルコのエルドアン大統領、ロンドンのサディク・カーン市長を非難し、厳しい移民政策を貫くトランプ大統領を、「白人至上主義のシンボル」と称賛した。

事件の影響下で過激な犯行に及ぶ容疑者たち

そして、8月には米国とノルウェーで同様の事件があった。メキシコ国境に近いテキサス州エルパソで8月3日、白人至上主義の男による銃乱射事件が発生し、メキシコ人8人を含む22人が死亡した。男はエルパソから約1000キロも離れたダラス近郊に住む20代のパトリック・クルシウス容疑者で、事件前に投稿したメッセージの中で、ヒスパニック系移民の増加を侵略と考え、タラント容疑者から強い影響を受けたと言及した。また、8月12日、ノルウェーでは首都オスロ近くで白人至上主義に染まる男が銃を持ってモスクを襲撃した。男は礼拝中のイスラム教徒を狙っていたとされるが、死傷者は出なかった。男は20代のフィリップ・マンスハウス容疑者で、この男も事前にネット上にマニフェストを投稿し、クルシウス容疑者やタラント容疑者から強い影響や刺激を受けたと明らかにしている。

このような一連の事件から懸念されるのは、暴力的な白人至上主義者の動向が国際的なものになり、しかもそれが連鎖的に発生していることである。9.11以降、国際テロ情勢はイスラム過激派に全神経が注がれた。当然ながら、その脅威も依然として残っているが、時の変化とともにテロ情勢も変化し、新たなテロの脅威も現れる。今後は、こういった新たなテロの広がりとイスラム過激派を比べ、相違点といったものを分析して必要がある。

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